管理者教育・社員教育など様々な問題解決の支援をさせていただいている
G&Dコンサルタンツの蠣崎です。
本日はマーケティングについてお伝えさせていただきます。
(目次)
①マーケティングの変遷
②マーケティングとは?
③参考事例
①マーケティングの変遷
マーケティング1.0(1960年代まで)
大量生産時代に生まれたマーケティング戦略の考え方。
当時は戦後復興で世界的に景気拡大していたため、商品を大量生産し、
大量に消費する時代であったことから、「いかに商品を安く作り、
最大化させるか」という点が焦点になっていました。
マーケティング2.0(1970年代~)
物不足の環境が緩和され始め、市場全体の価格競争が激化、
技術進化により商品のコモディティ化が進みました。
そのため、企業は「買い手が何を求めているか」という買い手
中心のマーケティング戦略へと変更し始めました。
そこでSTP分析(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)
というフレームワークが誕生しました。
マーケティング3.0(1990~2000年代)
2.0よりもさらに競争が激化し、インターネットが普及することで
消費者の価値観や行動様式が変化し始めました。
そこで企業は、今までの顧客視点をさらに発展させ、社会や環境
までをも踏まえた人間中心のマーケティング活動に転じていく必要性
が生まれたということです。
そこで「ポジショニング・ブランド・差別化」という3iモデルという
フレームワークが登場しました。
マーケティング4.0(2010年以降)
インターネットやSNSが社会に広く浸透し、消費者の価値観や
消費活動が大きく変化しました。今まで情報発信は、企業主導で行って
来ましたが、SNSやブログを利用することで、消費者自身でも行えるように
なったことから、認知から購入までの購買プロセス以外にアフターサービス
まで考慮する必要が出てきました。
マーケティング4.0の時代になり、従来のマーケティング・アプローチと
デジタルを活用したマーケティング・アプローチをうまく結びつけながら
顧客エンゲージメントを向上させる重要性が高まったということです。
AIDMA(アイドマ)+SIPSへ
(ソーシャルメディアを考慮した消費者行動モデル)
S(Sympathize):共感する
I(Identify):確認する
P(Participate):参加する
S(Share & Spread):共有・拡散する
マーケティング5.0(2020年以降)
コトラーは、「人間を模倣した技術を使って、カスタマー・ジャーニーの全行程で
価値を生み出し、伝え、提供し、高めること」と定義しています。
人間を模倣した技術として例示されているのは、人工知能、自然言語処理、
センサー、ロボティクス、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、IoT、
ブロックチェーンなどの先進技術です。
<先進技術によって強化できること>
・ビッグデータを使って、よりデータに基づいた決定を下せる
・マーケティング戦略・戦術の結果を予測できる
・文脈に合ったデジタル体験を物理的世界に持ち込める
・現場のマーケターの価値提供能力を拡張できる
・マーケティングの実行をスピードアップできる
②マーケティングとは?
世の中では、マーケティングはプロモーションと捉えている方や、
市場調査がマーケティングと捉えている人などマーケティングの概念は曖昧です。
実際にイメージする「マーケティング」は、
「売れる仕組みをつくる」と定義しているケースが多いのではないでしょうか。
実際に検討をする際には、
「誰に」「どのような価値を」「どのように提供するか」
を考えていくこととなります。
マーケティングの父と呼ばれるフィリップ・コトラー氏は
「マーケティングと販売は、ほとんど正反対ともいえる活動だ」
と言っています。
さらに、ピータードラッカー氏は
「マーケティングの目的は、販売を不要にすることだ」
とまで言っております。
コトラー氏によれば、マーケティングの定義は次のようになります。
「どのような価値を提供すればターゲット市場のニーズを満たせるかを探り、
その価値を生みだし、顧客にとどけ、そこから利益を上げること」
もう少し、私なりにかみ砕くと
「お客様の本当のニーズを把握し、商品サービスを磨き
お客様に選んでいただくこと」
これこそが、マーケティングの主たる目的ではないかと思います。
マーケティング思考は、どの企業においても非常に重要な
ポイントとなります。
例えば、製造業において、
①良い会社は、お客様が誰で、自社のどのような価値に満足されていて、
今後はどのようなことを期待しているか?
ということが明確となっており、お客様のニーズに応えるために、
製造、品管、設計開発部などが、努力し続けております!
②一方、うまくいかない会社では、
自社のお客様は知っていても、自社が作っている製品が
どのようなニーズを満たし、何に使用されているかもわからない…
といったことも多々あります。
①の企業と②の企業では製品のクォリティに
雲泥の差が生まれることは、いうまでもありません。
皆様におかれましても、現在に満足することなくマーケティングの変遷を
参考にいただきながら、変化し続けていける企業づくりを目指していただければ
と思います。
③参考事例
(建設業事例)
クライアントニーズ:民間営業に力を入れていきたい
(実施)
公共工事中心からの脱却をするため、民間へ販売できる商品の開発
→環境や災害に対する対策商品作成
各企業へ情報発信(DMやSNSでの告知等…)
→顧客訪問を進めていく中で、顧客の新たなニーズもキャッチし
商品の魅力を磨き続ける。
※結果9割公共→6割公共へ
(映像制作会社事例)
クライアントニーズ:売上を拡大したいがどのようにしてよいかわからない。
1.自社の特徴を分析
2.今までは企業の販売向けのPV中心に制作
3.顧客基盤がしっかりしていた企業の為、
既存顧客へ新商品の提供をプレゼン。
(採用向けPVの作成ほか…)
※売上が2割アップ
上記は一部事例ですが、日本の市場環境は縮小傾向にあるため、
何も手を打たなければ自ずと売上も縮小してしまいます。
ただ、従業員の年齢があがるにつれて給与もあげていかなければならない
のが企業の実態かと思います。
上記課題を解決するためには、今一度マーケティングについて時間をつくって
考え、営業戦略の見直しを図ることをお勧めします。
※ドラッカーより
企業の目的が顧客の創造であることから、企業には二つの基本的な機能が存在する。
すなわち、マーケティングとイノベーションである。
この二つの機能こそ企業家的機能である。
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